チーム選手の個性に合わせた練習メニューづくり
新年度に入って、新チームの練習メニューづくりをしています。
去年のメンバーと今年のメンバーでは、身体能力や経験年数も違うので
毎年、チームメンバーに合った練習方法を考えています。
今年のメンバーに伸ばして欲しいテクニックは、ずばり「パスワーク」です。
細かいパス技術がウマイ選手が多いのですが、相手チームの守備に対して
どのようなパスワークをすれば、思ったところにボールを運べるのか。
相手ゴールに近づくためにはどのようなパスをつなげればよいのか。
2人~3人のパスワークで相手を外していくパスワーク
をトレーニングすることにしました。
パスが来る方向と別の方向にパスを出すことがパス練習
4対1や3対1でボールをキープする練習は、正確にはパス練習と言わないのかも知れませんが
私は、パス練習として位置づけています。
カラーコーンを6m間隔で四角形に並べてグリッドを作ります。
その外側に4人~8人が立って、ぐるぐるとパスを回すという
いわゆる「ボールワーク」をよく行います。
向かいあってインサイドキックでボールを蹴るという練習は、キック練習とは言いますが
パス練習ではないと考えています。
なので、ボールが来る方向と違う方向にパスを出すという「スクエア」でのパス練習を
よく行います。
4対1や3対1のパス練習の意味
4人でパスを回せるようになったら、デフェンスを入れて、4対1をやるのですが
ここで何を練習するのか、ここがポイントです。
■コントロールしてパスを出すスキルを上げる
選手は4角のコーンの前でなく、「辺」に立たせます。
辺の上なら左右に移動できます。中に入ったり、外に逃げたりするのはダメ。
ここで習得したい練習は
「左右にいる味方から正確にボールを受けて、左右にいる味方に正確にボールを渡すこと」
右からボールが来たら、左足で受けて、右足で左へパスすることが出来るようにする。
右からボールが来たのに、右足で受けたら、左にパスするために3タッチ必要になります。
3タッチしたら、4対1でも奪われてしまいますね。
つまり、4対1では、受け方出し方の練習であって、受け方の練習については
「コントロール」として動きに限定される、ということです。
4対1のトレーニング中にコーチが
「場所に縛られないで自由に動こう!」
と言っても、選手たちは、4角形が「ベスト」だと考えているので
スイッチプレーや、クロスオーバーの動きを引き出すことは難しいでしょう。
4対1だと、ボールを持っていない選手の「ボールをもらう動き」はトレーニング出来ないと
いうことです。
3対1にするとボールをもらう動きが引き出せる
4対1だとオフェンスが多くて、スペースでボールを受ける動きを引き出せませんね。
なので、3対1にして、ボールをもらう動きを引き出すようにしました。
トレーニングイメージは下の図(手書きですみません。iPad Proで書きました)
まず、4対1のメニューです。ボールは動きますが、人は動きませんね。
次に、3対1のメニューです。ボールも人も動きます。
4対1よりも3対1のトレーニングの方が難しくなりますが、グリッドを大きくすると、
オフェンスがトラップミスをしてもリカバリー出来るので技術が未熟な選手でも
練習としては回ります。
小学生のサッカーでは、3対1が完璧に出来るように練習しよう
ボールを持つ選手にはデフェンスが寄ります。
オフェンスが3人なので、左右にパスコースを作ることが出来ます。
1本目のパスは、4対1でも3対1でも一緒ですね。
しかし、2本目のパスはどうでしょうか。
デフェンスから遠い位置でパスを受けようとするなら、スペースに動かないといけません。
3対1の練習には、「3人目の動き」という、サッカーらしい動きを引き出すことが出来ます。
2対1でボールを持ち続けることも出来るわけですが、3人目がいることで楽になります。
楽になるだけでなく、デフェンス側にとっては意表を突かれるという状況になります。
サッカーの練習では、三角形を作れ!などと言われることがありますが、3角形を作ることが目的ではなく
相手デフェンスに奪われずにボールをつなぐことで出来たその瞬間に3角形になっているわけです。
そして、3角形を作るために必要な頂点とは、ボールを持っている人とそのパスを受ける人の2人と離れた位置で
ボールを受けることが出来る「3人目」の位置が頂点になるということですね。
この図の場面では、ボールがどこに出ても、白丸の位置、つまり、スペースに動く意識を持つこと。
これが大事ということです。
レッツトライ!
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