クロード・デュソー氏のテクニカルインタビューVOl.2
3月末にJFAよりコーチ向け冊子テクニカルニュース第30号が届きました。
前回に引き続き、布氏のインタビュー内容を紹介します。
足の裏禁止
サッカーのトップレベルでは、足の裏を使うことは極めて少ないので、育成年代では禁止すべきとの意見でした。
布氏は、全面否定する事はないのではないかと言うと、クロード・デュソー氏は確かに全面否定する必要はないだろう、しかし、子供たちを見ると、あまりにも足の裏を使い過ぎる。
禁止にしたところで、使うであろう。禁止にすることで使う回数は減るはずだ。
つまり、布氏はクロード・デュソー氏が「足の裏禁止」というと、背景にある意味を知らずに禁止という言葉だけが広まってしまう事を恐れているわけです。
足の裏を使うことが有効で、ワールドカップでも多く使われているなら別であるが、わずかの選手が数回しか足の裏でのプレーを見せていない。
つまり、試合では有効でないという事のようだ。
さらに、クロード・デュソー氏は、子供達に禁止と言っても、足の裏を使うに決まっている。
そこを見越して、禁止にすれば、回数が減るだろう。という意味をもって「足の裏禁止」と言っているわけである。
コーチは、その事情を知った上で、足の裏を使って不利になった局面をとらえて指導すればよい事であるという。
布氏は、日本人の性格から、「禁止」としてしまうと、プレーそのものに消極的になってしまう
のではないかと言っている。
これに対しクロード・デュソー氏は、有効だと思えば使えばいい。
白か黒かを決めるのではなく有効か有効でないかで判断すべきである。
使ってみて有効ではないと思うことが大事という意味の事と、プロの試合では少なくとも有効なプレーとして扱われていないと言っている。
布氏は、日本人に対しては、このようなことはしっかりと説明してあげる必要があると、日本人の性格や国民性をよく観て、進めていく必要があると言っている。
年代にこだわり過ぎないこと
布氏によると、日本の指導者には、何歳にはどのようなトレーニングがよいかという質問が多いという。
子供も大人もエクササイズの内容は同じであり、スピードや強度が違うだけである。
目の前の選手にあったトレーニングを行うことが大切と指導者へ向けて発言している。
これは、布氏もそう感じているらしく、トレーニングするコーチの資質が問われる現代サッカー
では、非常に大切な事といっている。
クロード・デュソー氏は、19対0で勝っても得るものはない。
緊迫したゲームにこそ得るものがあるので、そのような環境を作る必要がある。
布氏はこれついて、そのようなゲームで守備の大切さを知るのではないかといっている。
子供達がうまくなるためには、指導者も選手もフットボールを理解すること。
その確認する場所がゲーム、つまり、試合であるという。
最後にクロード・デュソー氏は、昔のイングランドはロングキック主体のサッカーをしている
クラブが多かったが、現在は、そのようなクラブは勝てなくなっている。
イングランドは、ある時代に方向転換をした。それは不安もあったが、将来性もあった。
方向転換しなかったのは「戦う姿勢」だけだったとも言っている。
このインタビューで大切な事は、足の裏の事やトレーニング方法の事よりも、サッカーをする
という事はどんなことなのか。
選手にも、チームにも、そして日本においても、「有効な事をする」こととは何か。を考える事が必要だと感じた。
そして、何が有効かという判断は、世界のトップレベルのゲームの中に見ることができる。
そう感じた。トップレベルのゲームから何も感じないか、何かを感じ取れるか。
サッカーは世界のスポーツ。われわれは居ながらにしてテレビでトップレベルを観ることができる。
そこから、何かを得るためには、得ようとする意欲が必要ではないだろうか。
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