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JFAテクニカルニュース29号より その2

●フランスの子供たちはもっと走っている
日本とフランスの子供たちのトレーニングとプレーを比較すると、日本人はまだまだ
走る必要があるとデュソー氏は言っています。
日本人も高校生のサッカーでは走る量がアップして、世界レベルに追いつく程だそう
ですが、中学以下のレベルで走ることを強化していれば、高校レベルでは世界を追い超す
事も不可能ではないという事です。
小学生高学年から、もっと走れるようにトレーニングしておくことで、成人したときの
レベルがさらに高くなるという「底上げ効果」が期待できるし、日本人はそれをすべきと
いうことです。


オシム氏が、日本人はまだまだ走る量が足りないと言っていることについても、肯定して
おり、さらに走ることと正確なプレーを高めていくべきと言っています。
ボールを使ったトレーニングでテクニックと持久力を同時に高めていくことが大切という
事です。
私はこれを読んで、チームでのトレーニングを振り返りました。
チームでのトレーニングではボール無しのランニングや走り込みをしません。
持久力をつけるために走りこむことは、個人レベルですることであり、チームでの練習では
ボールを使ったトレーニングで、持久力とテクニックを向上させるメニューを取り入れることが
効率的と考えています。
デュソー氏が指導していた頃のJFAアカデミーでは、心拍数を落とさない工夫が随所にあります。
中学生レベルでも一分間の心拍数を160台でキープするようなトレーニングを2時間近く
続けることは、持久力向上だけでなく、高い心拍数の中でも正確なテクニックを発揮することを
要求していると言えます。
●有効なテクニックとは何か
日本とフランスの差が持久力と有効なテクニックの差ということがわかったけれど、
有効なテクニックとはなにか。
デュソー氏はこう答えている。
「ドリブルのためのドリブルにならない」「パスのためのパスにならない」
ドリブルは突破するため、シュートするためのもの、パスをするためのものである。
日本の子供たちは、ドリブルをすることに満足してボールを失っているのではないか。
そういう子は、ボールを失うドリブルをする子はレベルの高いサッカーに進むとさらに
ボールを失い続ける。デフェンスが組織化してくるとドリブルだけでは通用しない。
私はこのコメントを読んで、ドリブルが良くないのではなく、ドリブルしか選択肢がない
ことが良くないことであり、ドリブルのためのドリブルにならないこと言っていると理解
しています。
さらにデュソー氏はこうも言っています。
ドリブラーはドリブルをすべきだし、日本人にはドリブルがあっている。練習方法に問題が
ある。ドリブルのうまい下手だけの練習ではなく、ドリブルのあとのプレーにつなげる練習を
しなければ意味がないというものである。
突破のドリブルであればシュートで終わること。
私もこの部分には共感します。
ドリブルのためのドリブル練習だと、ゴール前で何度も切り返してシュートするなど
実戦ではありえないことの練習になってしまい、まったくリアリティに欠ける。
小さいうちに、ドリブラーとしての素質を見つけたら、ドリブルをさせます。
失敗も当然あります。しかし成功もあります。
ただし、ドリブルを突破の道具に使う事を要求します。
中盤でボールを持ちすぎてみたり、スピードアップする場面でドリブルをしてスローダウン
するようなドリブルはマイナスです。

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