サッカー用語でアプローチという言葉は主に守備の練習で使われます。
小学4年生で「アプローチ」という言葉をはじめて聞くという場合は、チームでは別の名前を使っているかも知れません。
「素早く寄せる」
という事なんですが「寄せる」とか「プレスをかける」という言葉ならイメージが沸くと思います。
サッカーの守備の基本であるアプローチにこめられた意味とは
このアプローチなんですが、試合に出ている選手なら「意味」をしっかりと理解して欲しいと思います。
なぜかというとサッカーの試合で
アプローチ = ボールを奪うこと
と勘違いしている子が多いからです。
取っちゃダメという事ではありません。
アプローチした結果に取れるならそれでOKなんですが、取りに行こうとして寄せることと、寄せて相手に自由を与えないということは、別なんです。
3年生以下・・・・いや、3年生でもアプローチは覚えて欲しいです。
2年生以下なら、元気よく相手のボールを取りに行こう!という事でいいと思います。
4年生以上なら意味を理解して下さい。
アプローチの考え方を理解する
アプローチとは、素早く相手に寄せることまではOKですよね。
では、「いつ」寄せますか?
相手の足もとにボールがある時に、猛ダッシュして寄せるというシーンを見ることがあります。
相手をフリーにしちゃいけない!
その通りですね。
じゃ、聞きますね。
そのスタートをもっと早く切れませんか?
「うん、早めにスタートを切ればいいんんだよね」
その通りです。
「じゃ、早めにスタートを切って、素早く寄せよう、いいアプローチをしよう」
こう言われて、子供たちはイメージが沸くでしょうか。
物分りがよい子は自分でつかむかも知れません。
でも、ボールばかり見ていると「早いスタート」は切れないので、そこはお父さんなり、コーチなりが、サッカーの仕組みを一緒に考えてあげるとよいと思います。
教えるのではなく、一緒に考えるというところがミソですね。
ボールが動いているうちにアプローチする
パスは人から人へ渡るものです。ボールは一瞬では移動しません。
ボールが移動する距離が長ければ長いほど時間がかかります。
距離と時間
これ、キーワードです。
サッカーは距離(いいかえればスペース)と時間の奪い合いとも言えます。
これは、少年サッカーでも国際マッチでも理屈は同じです。
スタートを切るタイミングという話をしましたが、一番早くスタートが切れるのはどのタイミングでしょうか。
AからBにパスが出る時、C君はこう考えます。
「このボールはBにパスが出そうだな、ボールに蹴られたらBに素早く寄せよう、上手く行けばインターセプト出来るかも知れないな」
このように考えられるようになるためには、Aとボールだけを見ていてはダメです。
もっと早くスタートを切るためには、ボールに触る瞬間でしょう。
早すぎると、相手に読まれて、パスを辞めて、Cが動いた逆をとってドリブルで仕掛けてくるでしょう。
やっちゃいけないのは、アプローチ2のようにボールを追うパターンです。
ボールを追い回して、疲れるだけです。
ここまで、親子で一緒に考えられるといいですね。
答えは言わないで、考えてみることです。
蹴られたボールはピッチの途中で曲がりません、カーブをかければ別ですが。
ボールばかり見ているとアプローチできない
さて、話を戻しますね。
Bがボールを受けられる状態かどうかまで見ておきます。
上達してくると、Bのマークをゆるくして、わざとBにパスを出させてボールを奪います。
アプローチというテーマでしたが、ボールだけを見ないことという結論になりそうですね。
でも、もっと大切な事があります。
それは、Bにすばやいパスが渡ってしまい、前を向かれそうな時に、猛烈にダッシュしたC君は、Bの動きに対応しなければならないということです。
もっと言うと、猛烈にダッシュして、飛び込んで、Bにワンタッチでかわされたら意味がないという事です。
ここで重要なことは、「止まること」
Bが上手くトラップして、C君をドリブルでかわそうとした瞬間にC君は、反転してB君に抜かれないようにしなくてはなりません。
または
パスの方向を制限するように、ゴール側に立って、パス方向をゴール方向に出させないようにすることです。
アプローチとは、相手に素早く寄って相手の自由を奪うことです。
C君は素早く寄せることで、有利になり、プレッシャーをかけることが出来ます。
4年生以上のサッカーで、この基本が身についていると、守備であわてなくなります。
基本は「対人」と「タイミング」なんですね。
「止まるステップワーク」については、まだまだ書きたいところですが、こちらの記事をご覧ください。
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